PROJECT STORY

〜世界No.1のワイヤーハーネス工場を目指して〜

01project story

〜世界No.1のワイヤーハーネス工場を目指して〜

執行役員 曽野さん
製造技術1部 坂本さん

2020年4月現在、海外拠点は13か国25拠点。日本を含めグループ全体で41000人以上のネットワークを世界に広げる古河ASにおいて、重要な位置づけとなっているベトナムの工場FASV社(Furukawa Automotive Systems Vietnam Inc.)。 ワイヤーハーネス生産の需要が高まって設立されたというFASV社は、いかに誕生したのでしょうか。今回は、大規模生産を支えている現場のプロジェクトストーリーです。 ベトナムでの立ち上げを担当したプロジェクトメンバーが、当時のFASV誕生にまつわるストーリーを語ります。 執行役員の曽野さん、製造技術1部の坂本さんにお話を伺いました。

世界No.1のワイヤーハーネス工場を目指して

―まず、設立の経緯をうかがってもよろしいでしょうか?

「ワイヤーハーネスの受注増加に伴って、
生産拠点が不足してきたことが一番大きな理由です。」

ワイヤーハーネス生産は、労働集約型産業です。人員の確保、
働く人の気質、実績など様々な理由から選ばれた場所は、ベトナムでした。


「当時はすでに稼働していたFAPV社(Furukawa Automotive parts Vietnam Inc.)ではベトナムのベンチェ省出身の従業員が多かったため、人員確保がしやすいと考えられました。ベトナムの方は大変まじめで手先が器用ですし、また、先行してホーチミンでのFAPV社の成功実績がありました。さらにベンチェ省人民委員会の支援も受けることができました。加えて当時は、ベトナム南部の地域はインフラが整っていなかったのですが、メコン川にラックミュー橋がかかり、高速道路建設が始まるなど、利便性が良くなり始めたところでした。」

そして2008年、FASV社はより生産性の高い製造に特化した、ワイヤーハーネス工場としてベトナムに設立されました。

設立のコンセプトは『世界NO.1のワイヤーハーネス工場の構築』『グローバルモデル工場の構築
NF生産方式(※トヨタ生産方式を古河ASに導入した生産方式を、New Furukawa生産方式と呼ぶ)を最初から導入し高品質、高効率の実現、工場の垂直立上げを目指したといいます。

「工場立ち上げのプロジェクトチームを組織化し、達成に向けては各チーム員と共に『ありたい姿』を描き、企画から立上げまで、情報を共有しながら約2年間活動していました。」

プロジェクトチームの人数は26名。会社機能別に日本本社13名、FAPV社の駐在員とナショナルスタッフ(ベトナム人)を含めた13名でスタートしました。

設立後の困難と葛藤を越えて

―課題になったこと、大変だったことについてお伺いします。

「SQDCM(Safety、Quality、Delivery、Cost、Motivationの5つの指標)達成に向けてはFAPV社の多大な支援や、FAPV社からベンチェ省出身者が異動してもらうことで人を確保しで順調なスタートを切ることができました。2009年に第一工場、2011年に第二工場が操業を開始し、滑り出しは順調でした。」



しかし、五月雨式に各車種製品の立ち上げが続いたことや、食事を始めとした環境の違いや採用など、プロジェクトの継続には多くの課題が待ち受けていました。製造要員はピーク時8000人必要となり、その人員確保と育成といった問題も発生。

「立上げ計画に遅れが出ないよう、あるいは遅れが発生した場合はリカバリーに向けて血眼でナショナルスタッフと奮闘する、という日々が続きました。」

一つ一つ改善に向けて取り組んだといいます。

ベトナムという土地。想定外の問題と日常生活

「その他にも、ベトナムという土地柄、
日本では想定できなかった問題もたびたび発生しました。」

ベトナムならではというところでは、気候とインフラの問題が浮上。

「雨季の時期は落雷による外部停電がたびたび発生しました。工場には備え付けの発電機があり、これをフル稼働させ生産に影響の出ないように対処していました。」

また、ちょっとしたことのようで日々重なると困るのが、日常生活での不便さ。住み慣れない土地での生活は、悩みが尽きません。

「まず発生したのは住居の問題です。当時、地域で日本人は私たちだけだったのではないでしょうか。外国人向けのアパートもない地域だったため、駐在期間中は全員ホテル滞在を余儀なくされました。全員が同じホテルで長期間一緒に過ごすので、朝昼晩一緒になります。そのため気を遣う面もあったかも知れません。」

さらに、海外長期滞在での定番のお悩みといえば、やはり食。

「やっぱり一番しんどいのは食事。どうしても飽きがきてしまうし、日本食も手に入りづらい環境でした。工夫を重ねて、スープは日本から持ってきたものを使って、食材は現地のもので鍋を作ったりもしました。」

少し懐かしむような話題も相まって、和やかな雰囲気で当時を思い出していただきました。異国の地で仕事に打ち込みながら、私生活でも創意工夫する姿勢は、当時のメンバーのモチベーションの高さと粘り強さがあってこそかもしれません。

数々の苦難を乗り越え、プロジェクトは無事完遂へ

―達成感があったことをお伺いしてもよろしいでしょうか?

「忙しいながらも、プロジェクトチームが日本人、ベトナム人スタッフとOne Teamで活動できたことです。ナショナルスタッフも育ち、現場運営を積極的にしてくれるようになりFASVの基盤を作る事ができました。数々の苦難はありましたが、プロジェクトメンバーを中心に関係者が総力を上げて取り組み、FASV社で初めて生産ラインが稼働し製品が出荷された事をはじめ、当初計画したすべての生産ラインの立上げを予定通り完遂しました。そのことを当時の日本本社幹部に報告し、無事プロジェクトがクローズアウトとなりました。」

これからのFASV社

―では最後に、現在のFASV社の状況や今後の戦略についてお聞かせください。

「その後ですが、更にワイヤーハーネスの受注が増加して、2011年にはFASV社は生産区10千㎡から20千㎡に工場拡張を行いました。生産ラインを更に追加しFASV社の生産量は2倍となりました。さらに、このプロジェクトで培ったノウハウは、その後フィリピンに設立されたFALP社(Furukawa Automotive Systems Lima Philippines, Inc.)にも横展開されています。もちろんノウハウ提供をするだけではなく、FASV社自身も常に研鑽を積み、改善を続けています。この生産性向上への弛まぬ努力によって、ピーク時8000人だった製造要員は、生産能力を増強したにもかかわらず現在では4200人になるまで効率化が進みました。」

現在、日本向けワイヤーハーネス製造は主にベトナムのFAPV社、FASV社とフィリピンのFALP社で行われていますが、FASV社はSQDCM(Safety、Quality、Delivery、Cost、Motivationの5つの指標)においてトップクラスの位置付けとなっているそうです。

「今後、中期計画においてワイヤーハーネス生産量は更に増加する見込みです。近い将来、更に古河ASの生産能力アップが必要なったあかつきには、このノウハウを継承していき、お客様にご満足頂ける製品造りを進めて参ります。」



より効率の高いワイヤーハーネス製造工場としてベトナムに設立されたFASV社は、古河ASの大きな実績のひとつとして根付くこととなりました。そのノウハウを継承し、生かしながら、不撓不屈の精神で今後も世界No.1のワイヤーハーネス工場を目指していく、そんな決意が感じられるインタビューでした。

今後もインタビューは随時更新予定です。引き続き古河ASのプロジェクトストーリーをお楽しみください。