主にトラックをはじめとする商用車向けのワイヤーハーネス設計・開発を担う、古河AS厚木事務所。
前編ではEVトラックの開発を手がける高圧ハーネスチームの奮闘を、中編では顧客と製造部門をつなぐ「架け橋」として活躍する低圧ハーネスチームの取り組みをご紹介しました。最終回となる今回は、見積もり業務を担う若手営業・村里さんにインタビュー。他県からの転職を経て厚木事務所の一員に加わった彼が、どのような想いで仕事に取り組み、どのような学びや成長を重ねてきたのか。挑戦の日々について聞きました。

目次

    • 日々の見積もり依頼に一つずつ丁寧に応える
    • 地元からの転職で、新たなキャリアの一歩を
    • 営業の現場で磨く、“伝える力”と対応力
    • チームや会社に貢献できる存在を目指して
    • 安心して働ける職場環境と、広がるプライベートの楽しみ
    • 初めての挑戦を糧に、大きな成長へ踏み出す

日々の見積もり依頼に一つずつ丁寧に応える


―まずは皆さんの担当業務を教えてください。

村里: トラックをはじめとする商用自動車メーカー様向けのワイヤーハーネスに関する見積もり業務を担当しています。お客様専用の見積もりシステムを通じて、毎日のように届く見積もり依頼に対し、仕様に応じた適正価格を設定し、見積もり対応を行うのが私の主な役割です。見積もりには大きく2種類あります。1つは新規開発時のもので、製品のコストに加え、設計・開発費や新規設備導入費なども含めて価格を算出します。もう1つは既存車種に関するもので、過去にかかった開発費などの償却済みコストを除いた、製品単体の価格を見積もるケースです。

ワイヤーハーネスと一口に言っても、その仕様は多岐にわたります。たとえば、小型トラックか中型トラックか、キャビンの幅や高さの違い、日本国内向けか海外向けか―その他細かな条件の違いによって、必要なハーネスの仕様も変わります。依頼の多くは「この仕様のハーネスは1本あたりいくらか」というもので、その都度内容を精査して価格を算出しています。

見積もり業務を担当する村里さん

 

―他県から転職し古河ASに入社を決めた理由を教えてください。

村里: 前職では、地元・九州でトラックの荷台に搭載する冷凍機の販売・アフターサービス窓口をしていました。年齢的にも節目を迎え、周囲で転職する人も増えてきたタイミングで、自分自身のキャリアや人生設計を見つめ直すようになりました。その中で、「一度九州を出て、もっと広い世界を見てみたい」という思いが強くなり、転職を決意しました。業界を変えることも視野には入れていましたが、自動車業界で培ってきた経験を活かしつつ、新たな視点を得られる環境として古河ASの仕事に興味を持ちました。古河ASで扱うワイヤーハーネスは、すべての車両に必ず搭載される重要な部品です。前職と同じ自動車業界ではありますが、より広く、より深くトラックという製品に関わることができると感じ、入社を決めました。

村里さんが勤務する厚木事務所

 

営業の現場で磨く、“伝える力”と対応力


―仕事を進めるなかで、難しさややりがいを感じるのはどんなところですか?

村里 : 日々届く品番ごとの見積もり依頼に対しては、社内設計とお客様の調整内容を踏まえた図面をもとに、「何が追加・削除されたか」を基準となる品番と比較しながら、金額を算出しています。単なる計算作業に見えて、仕様変更の内容や意図を理解する必要もあり、そこが奥の深いところです。

前職では、現場の運送会社様への訪問営業が中心で、担当顧客も多く、とにかく“足で稼ぐ”スタイルでした。事前準備よりも現場に出向いて直接話すことが重視されていたため、フットワーク重視の仕事だったと思います。一方古河ASでは、伝え方や資料の用意といった“事前の戦略設計”が求められます。これまでにないアプローチに戸惑う部分もありましたが、少しずつ手応えを感じ始めています。特に、お客様との会話では“言い方ひとつ・伝え方ひとつ”でその後の展開が変わることを実感する場面もあり、営業としてのスキルの奥深さを日々学んでいます。例えば、資料をあえて出さずに口頭だけで伝えた方がスムーズに進む場合もあれば、逆に誤解を防ぐためにしっかりと資料を見せて丁寧に説明するべき場面もあります。そうした「見せ方・伝え方」の判断を含めて、自分なりに考えながら取り組める点に面白さを感じています。

 

チームや会社に貢献できる存在を目指して


―日々の業務のなかで、意識して取り組んでいることや、自分なりの工夫があれば教えてください

村里 : 見積もり業務では、部品の追加・削除などにより価格を調整する必要がある場面もあります。その際、一部は営業個人の裁量に委ねられており、私は適正価格の範囲を守りながらも、お客様にも納得いただける価格であることを常に意識しています。後から出荷実績も確認できるので、自分が見積もりをした品番が予想以上に数量が出ていたときは、会社に貢献できた実感があって嬉しいですね。

業務の進め方については、優先順位の判断が自分に任されているため、「今やるべきことは何か」を常に考えて先回りで動くようにしています。先輩に「もうやってくれたんだね」と言われたときはとても嬉しいですし、チーム全体がスムーズに業務を進められるよう、待たせないことも意識しています。

また、業務のマニュアル化にも取り組んでいます。業務を覚えながら自分で手順を整理し、次にこの仕事を引き継ぐ人が困らないよう、分かりやすい形で整備を進めています。学んだことを言語化することで自分の理解も深まり、後輩やチームの力にもなれたらと思っています。

業務を通じた貢献にやりがいを見いだす村里さん。

 

安心して働ける職場環境と、広がるプライベートの楽しみ


―チームの雰囲気や、プライベートの過ごし方について教えてください。

村里: 今所属しているチームには、年齢の近い先輩がいて、席も隣同士なのでとても話しやすい環境です。先輩も中途入社という共通点があり、価値観を共有しやすいのもありがたいですね。仕事のこともプライベートなことも気軽に話せる雰囲気があり、安心して働けています。

プライベートの面でも、以前と比べてかなり充実しています。環境に少し慣れてきた今は、休みの日に東京へ遊びに行くこともできて、九州時代にはなかった楽しみが増えました。前職では土曜も営業対応が必要なことが多く、自分が休みでも連絡が来ることがよくありましたが、古河ASでは「仕事と休みのメリハリ」が明確です。完全週休2日で土日はしっかり休めるため、プライベートとの切り替えがしやすくなったと感じています。

話しやすい雰囲気とメリハリのある働き方が、充実感につながっているそう。

 

初めての挑戦を糧に、大きな成長へ踏み出す


―新たにチャレンジしていることはありますか。

村里: 今まさに、初めての見積もりコンペに取り組んでいるところです。価格の算出までは完了しており、これから見積書を提出する段階に入ります。提出後は、見積もり内容に関してご質問をいただいたり、ご要望を伺う場面も想定されます。今回が初挑戦ということで、先輩のサポートを受けながらではありますが、価格の根拠説明も担当する予定です。1円単位でも説明責任が求められる世界なので、「なぜこの金額なのか」という根拠を一つひとつ丁寧に積み上げています。あらかじめ想定した価格はきちんと守りつつ、お客様にとっても納得感のある見積もりとして提示できるよう、準備を進めています。

まだまだ学ぶことは多いですが、こうした経験を一つひとつ積み重ね、会社にしっかり貢献できる存在へと成長していけるよう、これからも前向きに挑戦を続けていきたいです。

厚木事務所の皆さん、ありがとうございました!

 

 

おわりに

3回にわたってお届けした厚木事務所インタビュー。高圧ハーネスチーム、低圧ハーネスチーム、営業と、それぞれ異なる立場から、厚木事務所の皆さんが築いてきた信頼と連携の強さを改めて実感しました。

厚木事務所の皆さん、ありがとうございました!