前編では、Monster Energy Yamaha MotoGPファクトリーチームのスポンサーの一員としての視点からMotoGPの魅力についてご紹介しました。こちらの後編では、製造に携わる現場の視点と、その技術からつながる、古河ASが描く未来についてお届けします。
インタビューでは、オートバイに実際に使用されているパーツについて、製品開発の詳細にフォーカスしています。これまで公開する機会が少なかった古河ASのプロフェッショナルなオートバイ向け製品開発現場のお話も、ぜひお楽しみください。

オートバイに使われる古河ASのパーツ


オートバイに使われているパーツには、ワイヤーハーネス、コネクタ、BSS®(鉛バッテリ状態検知センサ)といったものがあります。

ワイヤーハーネスは、複数の電線を束ねたものであり、主に電力供給と信号伝達のため、車両の隅々にまで配索されています。

コネクタは部品の接続になくてはならないものです。中でもQLWシリーズは、大手メーカ製レクチファイアに採用されており、そのレクチファイアは多くのバイクメーカーに使用されています。そのためかなりの数のバイクに使われていることになります。


BSS®は、鉛バッテリに装着され、バッテリの状態(充電率・劣化度・放電能力など)を検知して、車両(ECU)に伝え、アイドリングストップや充電制御などによる燃費の改善に貢献する部品です。


今回はより詳しいお話を、各開発担当者に聞いてみました。

 

自動車開発からつながったオートバイのワイヤーハーネス


今では多くのオートバイに採用されている古河ASのワイヤーハーネス。実はもともと自動車のために開発されたものでした。自動車用で培った技術力と実績があったからこそ実現したオートバイ用のワイヤーハーネスは、いかにして発展してきたのでしょうか。

ワイヤーハーネス開発者インタビュー詳細へ

 

 

自動車でもオートバイでも欠かせないコネクタ


コネクタは、各部品を繋ぎ合わせて動かすためになくてはならないものであり、各部品の性能を落とさずに接続させる大切なものです。QLW、HU、MIW、UC、N-ML、FWといった具合に様々な種類があり、それぞれの場所でそれぞれ違った役割を担っています。

コネクタ開発者インタビュー詳細へ

 

 

四輪から二輪へ、古河ASの技術転用が生かされたBSS®(鉛バッテリ状態検知センサ)


ワイヤーハーネス同様、四輪用として開発されていたBSS®。二輪用を開発することになったきっかけは思わぬところからでした。驚くほど小型のBSS®の搭載場所はご存知ですか?

BSS®開発者インタビュー詳細へ

 

日進月歩の技術開発が未来を創る、古河ASのこれから


古河ASでは、日進月歩の技術開発の積み重ねにより、MotoGPのような世界最高峰の戦いに挑むほど高いクオリティが求められる場面においても、安定した製品提供を行っています。日々培ってきた開発努力による賜物、高品質でオリジナリティ溢れる部品群は、縁の下の力持ちとして多くの一流レーサーを支えるべく選ばれてきました。
今後その技術力は、どのような未来に繋がっていくのでしょうか。

 

 

古河ASが描く未来 〜より安全、安心で便利な世界へ〜


CASEやMaaS、5G等、新たな技術発展によりシェアサイクル、コネクテッドバイク、パーソナルモビリティといったキーワードを耳にするようになってきました。未来のモビリティにおいても、古河ASが貢献できる部分があるかもしれません。

例えば5Gや、更に次世代の高速無線通信技術が普及すると、道路上における様々な新しい安全対策を提供することが可能になります。
例えば、オートバイの『右直事故』を減少させることができるかもしれません。
交差点を通過する車両が、対向車線の状況であったり、交差する道路の状況を共有できるようになればオートバイも安全に交差点を通過できるようになり、安心してオートバイを利用できるようになります。

このようなオートバイを誰もが安全に、安心して利用できるシステムを構築できると、
今後登場してくると思われる新しいパーソナルモビリティの安全・安心にも繋がっていくでしょう。

 

 

古河ASが描く未来 〜サステナブルな未来の鍵を握る軽量化と技術群〜


環境面への影響を見ると、移動(走行)に伴う温室効果ガスの排出抑制を図るという観点で、軽量化は今後も重要なファクターです。
サプライヤ側としては、軽量化のための新製品・新素材を発売する上で、材料調達や製造過程における排出量も考慮しなければならなくなります。

端子材などに利用される銅条を製造している古河電工の日光事業所では水力発電の電力を使って製造していることはご存じでしょうか。自動車用アルミハーネスに使用しているアルミ電線の母材の一部も、水力発電由来の電力で製造されたものです。
また古河電工グループでは、製造拠点での太陽光発電の導入などをグローバルで進めています。


古河日光発電所株式会社 細尾発電所

一方で電動化が進むと、ユーザが利用する電力が、従来からの化石燃料由来なのか、太陽光や風力などの再生可能エネルギーなのかが大事な要素となります。電動車両利用による温室効果ガスの発生を抑制するために、電動車両を製造・販売する企業が、クリーンな電力を電動車ユーザ向けに販売するという動きも出てくるかもしれません。古河電工グループでは、再エネを賢く利用するための技術開発も行っています。 

リユース、リサイクルという観点では、古河電工グループでも、従来から廃電線や鉛電池を回収してリサイクルしてきました。今後は、製品原料に使うリサイクル材の利用比率を向上させる技術開発も必要になっていくでしょう。

また長期的な観点では、温室効果ガスを回収し、それを資源化する技術の開発が進んでいます。

例えば古河電工では、家畜のふん尿から発生するメタンガスを回収し、LPGを製造するシステムや、大気中の炭酸ガスを回収して、資源化するシステムの開発などを進めています。こういったシステムの実用化に目処が立てば、石油に依存しない燃料や材料を使った新しい製品開発へと更に繋がっていきます。

日常の先にある、サステナブルでエシカルな未来の一助になるべく、日々の取り組みを行っています。

 

 

古河ASが描く未来 〜誰一人取り残されない未来のための、新たなオートバイ〜


 

ここまでのお話の通り、オートバイを取り巻く社会環境は今、大きく変わろうとしています。古河電工も、グループ全体で様々な施策に取り組んでいます。

古河ASにおいても、オートバイの進化に携わってきたように、将来のオートバイに向けて貢献できることを模索しています。オートバイユーザーやその予備軍といった利用者としての立場、歩行者や四輪車ドライバといったオートバイと道路を共有する利用者としての立場など、様々な道路利用者側の視点に立って、期待される将来像に思いを巡らせ、引き続き古河ASが貢献できることに取り組むことでしょう。

皆様はオートバイにどんな未来を想像しますか?

 

 

おわりに

さて今回は、MotoGPから始まり、古河ASとオートバイのかかわりについて前編・後編に亘ってご紹介しました。古河ASでは、長年培ってきた技術力を活かし、自動車だけでなくオートバイの製造においても業界内で重要な役割を担って参りました。表に出ることが少ない現場ではありますが、その情熱が少しでも伝わりましたら嬉しく思います。
部品ひとつひとつは手に取れる小さなものばかりですが、プロフェッショナルな製品の重要な一端を担い、世界で活躍するレーサーにパフォーマンスを発揮してもらえることは、かけがえのない思いとして実ります。
そしてそれらの技術力が、人々の生活をより豊かなものにする未来を創るべく、繋がっています。
古河ASではこれからも、未来への挑戦を続けていきます。
今後も引き続き古河ASのプロジェクトストーリーをお楽しみください。