自動車の安全性に対する意識の高まりにより、新型車へのADAS(先進運転支援システム)搭載が増加しています。古河ASが開発する「周辺監視レーダ」もADASを支えるセンサ機器の一つ。長年培ってきた技術を応用し、車両周囲の障害物を検知しています。乗用車だけでなく、工場や物流倉庫などで使用されるフォークリフトや建機にも搭載され、安心して仕事ができる環境づくりに貢献。また交通事故未然防止のためにインフラ用途での活用もはじまっています。
より安全・安心なモビリティ社会の実現に向けて様々な可能性を持つ周辺監視レーダ。どのような人がどのような思いで開発しているのでしょうか。車載レーダの開発に携わる橋本さん、室谷さん、岡田さんにお話を伺いました。開発チームの雰囲気や大切にしていること、使命感ややりがいについて、全2回にわたってお届けします。

目次

      • 車載周辺監視レーダとは
      • 周辺監視レーダの社会的ニーズ
      • 古河ASならではの強み
      • 開発で心掛けていること

     

車載周辺監視レーダとは

―車載周辺監視レーダとはどのようなものなのでしょうか?

室谷: 「車載周辺監視レーダは、ドライバーがより安全に運転できるよう手助けするためのセンサです。レーダなので、カメラとは違い映像を撮るのではなく、電波を照射し跳ね返ってきた電波の特性を処理します。例えば、後続車がどれくらいのスピードで近づいてきているか、あるいは交差点を横切っている人がいないかなど、死角になりがちなところの危険性を検知し、ドライバーにフィードバックするものです。

多岐にわたる開発部の仕事

―皆さんのお仕事内容を教えてください

室谷: 「3人とも車載周辺監視レーダの開発に関わっていますが、担当する業務は異なります。私は主にハードウェアを担当するチームで、回路設計を行っています。レーダが正確に機能するための電子部品を選定し、それらを適切に配置して回路を組み立てるのですが、電気的特性や信号の処理方法など高度な技術知識が必要なので、今も勉強の日々です。」


岡田: 「私はソフトウェア開発の上流から下流まで、幅広い範囲の業務を担当しています。自動車メーカーと直接コミュニケーションを取って仕様を検討し、コーディングからテストまで一連の製造工程全般を行います。特に車の安全に影響を与える部品のため、品質管理が非常に重要です。プロセスに基づいた開発を行う一方で、ソフトウェアを単に仕様通りに構築するだけでなく、より高い安全性と性能を実現できるような設計・実装を心がけています。」


橋本: 「私が担当している業務は、開発の最終工程になります。レーダを用いた評価です。評価データの取得と管理、結果判定と報告を行います。一連の業務をシステム化し、報告までを効率良く行うようにしています。各フェーズの問題点を明確化し、ITの知識とコーディングスキルを駆使してシステムを構築することを心掛けています。」

周辺監視レーダの社会的ニーズ

―周辺監視レーダの社会的ニーズはどのように変化していますか? 

橋本: 「より良い監視システムの構築を担うセンサとしての要求が増しているように感じています。車載センサとして警告表示を目的としたシステムを経て、ブレーキ制御 を行うシステムに用いられるようになりました」

岡田: 「今はレーダ単体で検知して警告を出していますが、今後の自動運転技術の発展と共に、レーダに求められる要件はさらに変わってくるでしょうね。今後はそういったところが課題になってくるだろうと思っています。」

室谷: 「あとはサイズですね。量産中の新しいレーダは、初代の30%の小型化を目指しました。ハード設計をする側にとってはすごく難しくて大変なのですが、お客様にとっては小さい方がより搭載しやすいため、ニーズは高いですね。」

古河ASならではの強み
―古河ASの周辺監視レーダの強みはどんなところですか?

岡田: 「それまで取引のなかった国内メーカーから初めて受注したときのエピソードです。難しい案件だったのですが、なんとかリリースまでこぎつけることができ、その結果、非常に喜んでいただけました。さらに性能面でも従来のレーダと比べて優れていると満足していただけて、今、続々と他の車種にも古河ASのレーダを展開しているところなんです。高品質な製品をリリースできるように納期に合わせて柔軟に対応できるところが、私たちの強みだと思っています。」

開発で心掛けていること
―普段のお仕事で心掛けていることはありますか?

室谷: 「ハードの設計を進めていくうちに、仕様書を作ったり結果をまとめたりと、どうしても書類仕事が増えてしまうのですが、できる限り効率化して、なるべくレーダを触る時間を確保するようにしています。確認しようとしていたこと以外にも気づけることがたくさん見つかるので、実物に触れる時間はとても大切です。」

岡田: 「ソフトウェア開発においてバグを出さないことは非常に難しいことですが、常にそれを目指して取り組んでいます。大人数で作業を分担することも多く、誰か一人の勘違いや見落としからバグは生まれてしまいます。品質を保つことは一番難しいところであり、一番意識しているところですね。どれだけ忙しくてもレビューを疎かにしないことを徹底しています。

橋本: 「私は、合同評価の際にお客様から“次もまた古河ASさんに頼みたい”と思っていただくために、信頼を得られるように接することを心掛けています。最後に報告書を上げたときに気持ちよく納得していただけるよう、しっかり準備して臨んでいます。また普段の業務では、“違う人間同士が仕事をしている”ということを念頭に置いて、要件は箇条書きにするなど、なるべく短い言葉でわかりやすく伝えるようにしています。そうすることで、認識のブレなどが生まないよう気をつけています。」

おわりに

前編では車載周辺監視レーダのニーズや開発の苦労、3人の想いを伺いました。
後編では、開発チームの雰囲気やお仕事のやりがいについて語っていただきます。どうぞお楽しみに!
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